ドームハウスのこと
埼玉県深谷市にオープンしたドームハウス展示場です。
台風や地震、積雪に強い球体の家で、最近、急速に普及しているようです。
発泡スチロールでできているので断熱効果が高く、室内の空気が自然に対流するので冷暖房の省エネ効率も抜群です。
構造上ワンルームなので、観光案内所、イベントハウス、別荘、売店、幼稚園のプレイルームなどに利用されているそうです。
せっかく丸〜い形のユニークで遊び心のある建物ですから、外装も無地じゃもったいないですよね。
球の形を利用して、サッカーボールとかスイカとかに見立ててもいいいし、迷彩柄や面白い模様にして個性をアピールしたいところです。
球体の建物に壁画を描くのは超ウルトラC
今回は、あの「ゆるキャラグランプリ」で2位に輝いた「ふっかちゃん」のまち深谷市にちなんで、ドームの形を「ふっかちゃん」の顔に見立てることになりました。
ところが、仕事を受けてから問題続出!
壁が球体なので、原稿をトレースすることはできません。
正面から見た状態で「ふっかちゃん」を正確に再現しなければならないのですが、実際には球体なので中心から外に向かって大きくゆがんだ状態になるのです。
実は、トリックアートなのです。
下絵を描く方法を考えるのに時間がかかりました。
結局はフリーハンドでやることにしました。
球体に立体造形を取りつけるのは超ウルトラD
問題はもう一つ。
ふっかちゃんの絵に合わせて、ネギの形をした角を作ることになったのです。
角の大きさが太さが直径60センチ、高さが180センチと巨大なものです。
しかも、球体の表面に接着させなければならないので球面の接着面を作らなければならないこと、それが「ふっかちゃん」の絵とジャストフィットして、角の向きも自然であることが要求されます。
事前に現場に足を運び、発砲スチロールで型合わせをすることにしました。
問題はまだまだ。
現場でいざ、ネギの角を取りつける段階でまたしても大きな難関が待ち受けていました。
20センチもあるドームの壁に、球の中心に向かって穴を開ける作業です。
しかも、壁の裏から固定する球面の部品が厚さ20センチなので、実際には50センチもの長い穴を正確な位置に正確な角度で開けなければなりません。
ドリルの歯は、最大30センチしかありません。
そこで、手製で90センチのドリル歯まで作ることになりました。
現場で悪戦苦闘すること半日。
ようやく、角も付いて完成です。
現場の冥利
予想以上の出来でした。
やった〜!!って感じでした。
正に出口の見えない地獄から解放されたという感無量の気持ちです。
でも、出来上がった「ふっかちゃん」を見た人には、こんなに難易度の高い作品だとは誰も思わないでしょうね。
通りがかりの人は、「わ〜っ、すごい」とか「かわいい」と一応に反応はしていきますが・・・・。