ウォールアートの現場

壁画、デザイン塗装、オブジェ、アート看板などのウォールアートで建物の外観イメージを演出。ウォールアートのデザインや制作の現場をレポートします。

セノン阿佐ヶ谷店のシャッターアート完成!

警備保障会社セノンさんの阿佐ヶ谷店のオープンに合わせて、
シャッターにセノンのパトロールカーを描いて欲しいという依頼です。


阿佐ヶ谷駅北口は、昭和の面影が残る懐かしい街並みです。
路地が狭くて車を店の前に駐車するのもはばかり、駐車場を探したのですが、いずれも3〜5台位しか留められない規模で、どこも満車状態。
困っている姿を見て、お隣のお茶屋さんがあちこち探し回ってくれました。
なんて人情的な街でしょう!

 

さあ、作業をスタート。

作業手順は、こうです。

⑴ 事前に塗装された紺色のシャッターに、まず、車の外形の下書きをします。

⑵ 車の形を、白(車の色)で塗りつぶす。

⑶ 車の細部を下書き(トレース)する。

⑷ 車の細部を塗り分ける。(一部、スプレーを使用)

⑸ 細い筆で黒のふち取りをする。

 

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なんとか、完成です。

 

しかし、今回は、予期せぬハプニングでかなり手こずりました。

これまで50ヵ所以上のシャッターアートを手がけてきましたが、
今まで見たことのない変則的な形状だったのです。


事前に用意してきた実寸大のトレース原稿が全く役に立ちませんでした。
シャッターの山が10センチ単位にしかなく、後は複雑な谷ばかりで、
当たり程度にしかトレースができません。
結局、まばらにある当たりの点を頼りに、現場デッサンすることに。

塗りに入っても、谷が多くて筆のコントロールが大変でした。
しかも、車の図形的な線を正確に描いていくのは、正に地獄です。

 

隣のお茶屋さんが、何度も見に来て話しかけてきました。
通りかかりのも次々と足を止めて、しばし見物していきます。

「昔はうちの店にも手描きの絵を描いてもらったんだよ」
「今じゃ、手描きはすっかり珍しくなったね〜」
商店街のご主人たちやお年寄りの方たちにとって、私たちの姿はとても懐かしい光景だったようです。

結局、3日間もかかってしましましたが、商店街の人々との温かいふれあいができて、とてもいい想い出になりました。